日を追うごとに、原発は悪化しています。基準値の10万倍だの上限の4倍だの、毎日桁外れの数字を聞いていると、何を信じていいのか、何が安全なのか分からなくなってきています。
現在の状況を憂慮するとともに、やっぱり本気で考えていかなくてはいけないと思う、これからのエネルギー。まずは、現状を知ること。
なぜ『脱原発』か (原子力資料情報室)
2年前、デンマークの知人の家にお邪魔しました。季節は晩秋だったので、夕方4時ころから翌朝8時過ぎまで長い夜でした。そんな長い暗さの中で、使う電灯は20畳ほどのリビングダイニングにスタンドライトが1つとダイニングテーブルの上に60Wくらいのペンダントライト(さすがPHランプでしたが)1つのみ、あとはろうそくの灯りでテーブルをコーディネートしていました。初めはその明るさ(暗さ)に少し戸惑いましたが、静かに、穏やかに、会話を楽しみながら夕食をいただくのがとても贅沢な時間に感じられました。もちろん、私たちが訪問したことで特別の空間を作ったのではなく、あくまでもその方たちの日常の姿です。 私たち日本人は、裸電球の時代から、現在のどの部屋も隅々まで明るい蛍光灯へ、すべての部屋にテレビとエアコンがあり、まちは24時間眠らない時代へと変わってきましたが、本当にそれほどのエネルギー消費って必要だったのか、そのために電気をもっと必要としなければならない今の電力事情を作り出してしまったのではないか、そもそもなぜ電気は永遠であると過信してしまったのか、と考える必要があると思うのです。
同じ過ちを子供たちの代にも犯さないために、今考え、変えていかなくてはならないこと。「万能」であるはずの電気の脆さを考え、豊富な森林資源と海に囲まれたこの日本だからできるエネルギー供給があるのではないか、大きな電力会社だけに頼るのではなく、個人レベル、地域レベルでの他エネルギーの生み出し方を考えていきたい。石油もガスも、永遠ではないのです。
心の豊かさと『慎ましさ』という美意識、本当に大事なものは何か、自分の生活を改めて考え、子供たちに伝えていく責任があると感じています。